8月10日の猛暑の続く中、愛媛県松山市三番町の松山市男女共同参画推進センター(別称コムズ)において、昨年に引き続き四国地区では2回目の日本臨床 矯正歯科 医会中四国支部主催″市民セミナーinまつやま″が「聞いてみよう!歯並びの悩み、矯正歯科治療のこと」と題して開催されました。本セミナーは愛媛県教育委員会松山市および市周辺教育委員会、愛媛県ならびに松山市歯科医師会の後援によるものです。
当日はお盆休み前の里帰りシーズンにも拘らず参加者総数137名、事前申し込み家族数65件に対し53件の御家族が来場され、出席率では82パーセントとなり、この催しに対する関心の高さが窺われました。
さて、13時開場のところ予定より30分も早く来場者が現れ、13時30分より様々なイベントで活躍中のフリーアナウンサー、土屋あおいさんの司会により幕が上がりました。
初めに、医会本部から駆けつけた木下三樹夫広報委員長による開会の辞の後、鹿児島大学名誉教授の伊藤学而先生が演台に立ち「口はいのちのトビラ −子ども達の口を健やかに育てるために−」と題して次のような講演を行いました。

子供に増えている口と顎の問題:食べるのも飲み込むのも下手で、水がないと食事できない。歯並びが悪く噛み合わせがずれている。顎で音がする。唾液が少ない。いつも口が開いていて姿勢が悪い。近年、こんな子供が珍しくありません。
健やかな子育てと授乳と離乳:昭和初期までは、育児に食育、体育、知育、才育、徳育の五育があり、なかでも食育は子育ての基本、しつけの土台とされていました。母乳で育て子供が食べられそうな物を食卓から選んで与えるだけで特別な離乳食はなく、家族揃って、ゆっくり噛んで食べていました。
食事は心と身体を育てる:食事には、栄養をとるだけでなく、食を楽しみ、心を和ませ、味覚、臭覚を育て、毎日の生活リズムを整える働きがあります。しかも、食事を共にする事によって、親しみを深め、食文化を伝承し、発展せるという大きな役割があります。
家庭で心がけて欲しい事:週に1回は家族揃って食事をしましょう。テレビを消して食事と会話を楽しみましょう。食事は頬張らず、ゆっくり噛んで食べよう。「サッサと食べなさい」は禁句にして、水、ジュース、清涼飲料は食後に飲みましょう。等、大学でのラットを用いた実験結果に基づいた知見をわかりやすくスライドを用いて講演されました。

伊藤名誉教授の講演の後は、歯並び相談会が4階会議室に場所を移して行われました。松山市在住矯正歯科専従開業医6名にくわえ、遠路、岡山市から野村聡・土屋公行会員、本部広報委員会からは保田好秀・河口忠睦・坂本紗有見委員の総勢11名により、各家族別に個別相談を受け付けました。この無料相談会は昨年も大変好評で、保護者の皆さんは日頃自分のお子さんの気にしておられる歯並びについての疑問点を率直に相談員にぶつけ、ご理解いただいた上でお帰りいただいたことがその後のアンケート調査で認められました。

この相談会と平行して大会議室では松山市開業二宮矯正歯科勤務大沢衛生士による「歯並びを悪くする癖を知っていますか?〜舌癖、指しゃぶりを治そう〜」と題しての講演と地元矯正専従開業歯科医院勤務の歯科衛生士総勢25名による咀嚼・嚥下指導、口腔習癖の講習会を実施、写真に示すように一人ずつ丁寧に正しい嚥下の仕方や舌の位置について説明しました。このように、講演、実習、相談会と沢山の内容を盛り込んだ矯正歯科の市民セミナーは16時30分無事成功裡に閉幕することができました。

今回から実施した来場者へのアンケートから本セミナーの感想を拾ったところ、参加者の86%が本セミナーに参加してよかった、また96%の方が来年もこのようなセミナーの案内をもらいたいと考えているとのご回答をいただきました。
ご感想・ご意見がありましたらお聞かせくださいとの問い掛けには、相談が出来てよかった、早速病院へ行ってみようと思う、今まで歯について関心が無かったが自分の子供の歯並びが気になりだし、矯正についても関心を持つようになった、今回のセミナーを拝聴しいろいろな知識を得ることが出来きた、衛生士の皆さんの笑顔がすばらしい、来年もまたこのような催し物を開催してほしいなど本セミナーに対し肯定的な意見が大多数をしめた他は、託児室を設けてくれればよかった、といった建設的な意見もいただきました。いずれにせよ、本セミナーを応援してくださる声が多数よせられ、主催した支部会員の大きな励みとなりました。