第35回日本臨床矯正歯科医会大会が、11月14日、15日に
栃木県総合文化センターにて開催されました。
『矯正歯科医療変革期への対応ー更なる質の向上と効率化をめざしてー』
のメインテーマのもと、400名を超える会員、スタッフが参加し、熱い議論がなされました。

大会一日目は、中川路健司大会実行委員長の開会宣言に続き、
委員会プログラム講演が始まりました。
まず、昨年の横浜大会で「患者満足度アップ」についての講演を頂いた前田泉氏から
「矯正歯科治療に患者が求めていること」のテーマで、矯正歯科治療に対する
患者満足度を向上させるための具体的なお話を伺いました。
治療プロセス等の説明をさらに頻繁に行う、痛みに対する配慮や心遣い、
相談や質問をしやすい雰囲気をつくる言葉掛けなど、すぐに応用できるヒント、
アイディア満載の一時間でした。

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引き続き委員会プログラムIIは、「日本臨床矯正歯科医会の広報活動のあり方を考える」
のテーマで、藤田康人氏の講演でした。
日本におけるキシリトール・ブームがどのように仕掛けられ功を奏したかなどの具体的な例から、
特に情報開発(話題を作ること)の重要性が語られました。
矯正歯科の場合は海外における事例の情報や、第三者(補綴専門医や歯周専門医など)からの
推奨コメントなどが有効であろうとのことでした。
また、ゴールと役割の明確化(会としての役割と各会員役割)など、
プロの目からみたアドバイスを頂き、我々の知らない世界の話題に聴衆皆、
興味深く聞き入っていました。

午前の講演後は、機材協議会主催のランチョンセミナーとなり、
各商社の最新開発商品の紹介と説明を聞きながら、おいしい昼食に舌鼓を打ちました。
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教育講演 13:40〜15:10
本会会員でBSC会長でもある永田賢司先生より、リケッツ先生および
グジノー先生によって提唱された Zeronbase Bioprogressive Philosophyの一端を、
「二期治療におけるII級不正咬合の診断と治療」
というタイトルの講演の中で披露していただきました。
なかでも、診断の重要性を特に強調されていました。
そして、Visual Treatment Planning ( VTP )について言及され、
各々のステップで如何に作成し、治療に生かしていくか、II級の症例を通じて説明されました。
機能的不良因子についても触れられ、早期に障害を取り除くことの重要性も、
症例を通じて示していただきました。
加齢に伴う軟組織の変化というおまけまでつけてくださり、
有意義な時間を過ごすことができました。

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会員発表(アンコール賞受賞発表) 15:20〜16:50
続いてアンコール賞受賞者による会員発表が3題ありました。
お一人目は神奈川支部の多島 仁 先生で、
「Angle Class II div.2 不正咬合非抜歯症例の一考察」というタイトルで、
治療目標が2つ、3つ考えられる症例を参考に、治療初期から治療目標選択にいたる
治療過程の思考手続きについて述べられました。

二人目は東海支部の池森由幸先生から「舌の短縮術を併用した成人開咬症例」と題して、
当初SSROを予定していたが、舌切除のみを行っただけで、
矯正歯科治療単独で良好な結果が得られた症例を披露されました。

最後は中四国支部の井藤一江先生で、
「前歯の後退への区域皮質骨切りと圧迫骨短縮術の応用」というタイトルで、
局麻下で行う区域皮質骨切りを行った上で、上顎六前歯を後退させるのに
圧迫骨短縮を応用した症例を発表されました。

何れも、すばらしい発表でしたので、教育講演が続いているような錯覚を覚えました。
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特別講演
5時からは元内閣法制局長官の阪田雅裕先生から、
「日本社会と法」というタイトルでご講演いただきました。
先生はまず、法は社会の価値観を政党に反映していることが大事で、執行可能な体制が
整備されていることが不可欠だと述べられた上で、
主権者たる国民の意識に対して注意を喚起されました。
また、小泉改革にも触れられ、法規制や財政面での既得権益の見直し、社会の活性化、
消費者の利益を守ることを目指したものだと力説されました。
憲法解釈についても、一貫性が必要で、恣意的な解釈変更は国民の信頼を失い、
法治国家の根幹を揺るがすことになるとも述べられました。
さすが内閣のメンバーの一人としての面目躍如たるところでしょう。
ふだん我々が余り考えたことのないようなテーマでしたが、
身近な問題として考えることができたと思います。

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スタッフプログラム
大会1日目にはメイン会場での講演と並行してスタッフプログラムが開催されました。

10:30〜12:00はスタッフプログラムIとして、本会大会ではすっかりお馴染になった
東北大学大学院文学研究科心理学講座教授、仁平義明先生によるご講演
「リジリエンシーを育てる矯正歯科治療」が行われ、会場は超満員となっておりました。
私たち矯正歯科医はワイヤーのリジリエンスを思い浮かべてしまう人も多いかと思いますが、
「心の回復力・復元力」のご講演です。
矯正歯科治療も、最終的には子どもにプラスの結果を生む治療ではありますが、
長い治療の過程で子どもにはさまざまなストレスが生じることも事実です。
しかし、そのような矯正歯科治療の過程も、治療に携わる者の対応によって、
リジリエンシーを育てる機会の一つになりうること、
そのためにはどんなことが出来るのか数々のヒントをお話して下さいました。

13:15〜15:30は伊藤智恵先生による進行のもと、
「矯正歯科医会スタッフ・ブラッシュアップ・プログラムを作ろう パート2
具体的な研修プログラムに練り上げよう」が開催されました。

前回のパート1では、現状の取り組みと問題点を診療所ごとに紹介しあいましたが、
今回はそこで出されたいろいろな取り組み、工夫、悩み、疑問などを参考にして、
新人研修マニュアル兼診療システム改善プログラムに仕立て上げることにしました。
10項目のテーマごとに各テーブルに別れて活発なディスカッションが行われました。
